引きこもりニートが大学受験!目指せ人生逆転!!


前回は友達が出来ずに大学を辞め、引きこもりニートとなった過去を書いた。

大学で友達がいない!辛くて中退して後悔した2つのこと

今回はその後の人生について書いていこう。

 

引きこもりニート、アルバイトを始めフリーターになる


実家での1年以上に渡るゲームへの現実逃避で、ファイナルファンタジーのキャラクターをレベル99まであげ、ヒロインですらラスボスを打撃攻撃一発で倒せるようになった。
 

しかし、ユウナ(ファイナルファンタジー10のヒロイン)が強くなるにつれ、こんな生活を続けていたらダメだという自分の思いも強くなっていった。
 

家族ともあまり会話がなかったので、1年以上、人と会話をする機会がなく、言葉を発し方すら忘れかけていた頃だ。
 

そもそも1年以上、人と話さないとどんな人見知りでも、誰かと話したくてたまらなくなる。
 

そして、人見知りだが、小さい頃からドラクエやファイナルファンタジーといったRPGゲームが好きなこともあり、元来「冒険」や「仲間」と言ったワードに弱い。(それが拗れて10年後に会社を辞めて、リアルRPGの世界一周に旅立ってしまうのだが)
 

RPGゲームを極めれば極めるほど、社会と接点を持ちたいと思うようになってきたのだ。
 

そこで、一念発起してアルバイトに応募。
 

幸い1社目で合格し、近所のファミレスチェーンのオープニングスタッフのキッチンとして雇ってもらうことになった。
 

ニートからフリーターへと昇格。しかし、その時は、これが地獄の始まりだとは知る由もなかった…。

引きこもりニートに大学受験を決意させた学歴底辺の職場


後から知ったことだが、このアルバイト先は有名なブラック企業の1つとして数えられ、大学の就職活動においても敬遠されている会社の1つだった。
 

長時間労働。低賃金。罵声。怒号。恫喝。暴力。
 

アルバイトでも正社員並みの労働を要求され、万年、人手不足なのでシフトの入っていない日でも当日によく呼び出された。
 

携帯電話の着信を無視すると実家の固定電話にまで電話してくる社員達。
 

アルバイト先社員
今日、いきなりだけど、シフト入って。
 

ジョニー
(これからドラクエのボス戦なので)今日は予定があって行けません。
 

アルバイト先社員
え?なんで?休憩あるよ。
 

「休憩あるよ」って、休憩を取れるのが特別かのような言いっぷり。終いには・・・
 

アルバイト先社員
みんなに迷惑をかけるなーーーー!
 

恫喝。
 

いきなりシフトに入れと電話してきて「みんなに迷惑をかけるな」という理不尽ぶり。
 

そんな彼ら、社員達には1つ共通していることがあった。
 

それは全員、学歴が低いということ。
 

学歴が低いとこのような悲惨な職場でしか働けないのか?仮にも彼らは大卒なので、大学中退の自分にはもっとブラックな職場しかないのではないのだろうか?
 

サラリーマンとして、まともな職場で働くには学歴が必要。そのためにはもう一度、より良い大学に入学して卒業しなければならない。
 

当時19歳だった自分は、この悲惨な職場を見て強くそう感じた。(10年後、日本の多くの職場は世界から見て、まともではないと気づくことになるのだが。。。)
 

当時の自分は、特段やりたいことも特技もなかったので、日本でサラリーマンになるしか生きる道はないと考えていた。まだインターネットもそこまで一般的でなく、10代の自分が世の中を知ろうにも情報が限られていたのだ。
 

今考えると安易な考え方だが、日本の10代が将来を考える時はこんなものだろう。周りに合わせることばかり教育されてきた日本の子供には、みんなと同じように(なんとなく)大学に行って(なんとなく)サラリーマンになる将来を想像するのが精一杯だ。
 

もう一度の大学受験をするのに、親からお金を出してもらう訳にはいかないので、昼間は受験のための予備校、夜はこの飲食店でアルバイトという生活を1年間半ほど続けた。
 

ブラック企業の飲食店のアルバイトと受験勉強の両立は辛かったが、職場で死んだ魚のような目をしている社員達を見ては「こうはなりたくない」と自分を奮い立たせていた。

日本の新卒一括採用が作り上げる学歴社会


結果、都内の私立大学に合格し、3年遅れ(引きこもり1年半、フリーター兼浪人1年半)で大学に再入学することになった。
 

今でも、このとき大学受験の選択は、正しい選択だったと思っている。あのアルバイト先のような職場で一生を過ごしていたら、今のような広い世界を見ることはできなかっただろう。
 

日本では学歴がなければ、まともな会社に就職するのは難しい。それを身を持って体験した。
 

そして、この学歴重視の社会を作っている一つの要因が、就活時の「新卒一括採用」だ。
 

当時通っていた予備校の講師がこのようなことを言っていた。
 

「18歳で東大に入学をすることが、汚れがない綺麗な状態。これに浪人や偏差値の低い大学に入学すると汚れが増えていく」
「日本の社会では、この汚れが少ない程、評価される。」

 

言葉は悪いが、日本の社会の本質をよく表した言葉だと思う。
 

建前では「個性のある学生を求める」と言っておきながら、周りと同じ様に振る舞える学生を採用する日本の企業。(企業側はこれを「協調性」と最もらしい言葉で表現する)
 

そして、その企業の建前と本音を知っている就活生は、皆同じリクルートスーツに身を包み、面接マニュアルに書いてある通りの振る舞い、セリフをどの企業でも繰り返す。
 

「私は周りと同じように振る舞えます。輪を乱すようなことはしません。」と。
 

このような新卒一括採用のシステム上では、結局、学生を判断する材料が「学歴」しか残らない。
 

面接という茶番劇を演じるだけ時間の無駄で、日本の企業は履歴書に書いてある「学歴」だけで、採用か不採用かを判断しても結果は変わらないだろう。
 

「新卒一括採用」という茶番劇の前では、どんな綺麗ごと並べても、学歴がなければ、まともな会社に就職するのは難しいのである。
 

↓そんな元引きこもりニートが就活をして内定を得る話
三浪私立文系でも就活で大手企業に内定した話

人生を回り道して気づいた、おかしい日本の風潮


また、この「新卒一括採用」という茶番劇は、もうひとつの大きな弊害を引き起こしている。
 

それは「人生の回り道」は許さないという風潮だ。
 

引きこもり。ニート。フリーター。そして大学受験。自分の場合は、この様に大きく「人生の回り道」をした。
 

そして、先の予備校講師の言葉を借りれば「日本の社会では、汚れが少ない程、評価される。」
 

いかなる理由でも「新卒一括採用」というシステムの前では、自分の様な「人生の回り道」をした人間は、日本の社会からは異端児として見られるのだ。
 

海外ではいったん就職した後でも、キャリアのために、大学に入学するケースも多々ある。授業料のために、ある程度お金を貯めてから入学するケースもある。
 

だが日本ではいかなる理由であれ、これらを「回り道」と表現する。
 

まるで「18歳で大学に入学して、22歳で就職するのが正しい道」と言わんばかりに
 

挑戦するのに年齢は関係ないと世間では言う。しかし、実際は年齢で挑戦することに、制限をかけているのが日本なのだ。
 

18歳で親の金で大学に入学することが、そんなにえらいことだろうか?
 

強い目的意識を持って大学に入学する18歳が、どれほどこの国にいるだろうか?
 

「周りがそうしているから」「就職のため」「世間体ため」とただ何となく漠然と高校時代に大学進学を選んだ人間の方が評価される。
 

日本の「新卒一括採用」という茶番劇は、そのようなシステムになっているのだ。
 

環境を変えたくて、引きこもりニートやフリーターから一念発起して大学受験を目指す人。
お金がなくて、自分で学費を貯めた後に大学受験を目指す人。
やりたいことが見つかり、キャリアチェンジのために大学に進学する人。
 

これらの人々の方が、ただなんとなく世間体から大学進学する人間よりずっと尊い。
 

それを「回り道」や「再チャレンジ」と表現する日本社会が明らかにおかしいのだ。

参考:30代で大学生ってそんなにおかしいか?

最後に

これは某チェーン店の有名な研修動画だが、見たことがある人も多いだろう。
 

海外の友人の何人かに見せたことがあるが、皆絶句。言葉にならないといった様子だった。

俺、日本に生まれなくてよかったわ by 海外の友人

 

自分がフリーターとして働いていたファミレスチェーンもこの様な感じだった。この様な職場が先進国と呼ばれる日本に存在すること自体恥ずかしいと思う。(事実、上記の会社は海外出店するも現地で受け入れられず、撤退している)
 

こんな職場で一生を終えたくない。その一心で一念発起し大学受験を目指した。
 

大学受験を目指した理由は褒められたものではないかもしれない。「回り道」したのも自己責任と言われればそれまであろう。
 

しかし、自分の頭で考え、自分の意思でチャレンジしたことは、誰にも否定できるものではない。
 

人の生き方を「回り道」や「再チャレンジ」と表現し、あたかも「正しい生き方」が存在するかの様に宣う日本社会は明らかにおかしいのだ。


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