日本は物価の安い国。気づいていないのは日本人だけ。

今、香港や中国を中心にアジアでちょっと話題になっているのが沖縄での以下のニュース。

中国人のみ料金10倍 宮古島・砂山ビーチのレンタル業者 市から注意され看板撤去

要約すると・・・
・沖縄県宮古島市のビーチで、業者がパラソルの貸し出しなど、通常2,000円のところを中国人のみ料金を10倍の2万円に設定。
・業者側は「中国人観光客はマナーが悪いから。差別の意識はなかった。」と述べる。

 
日本国内だと多くの人が「マナーのない中国人が悪い」という意見が多数派に対して、海外は(中国人を除く)「レイシズム(人種差別)だ」と「マナーのない中国人が悪い」という意見が半々といったところのようだ。

 
しかし、この事件を自分が知って感じたことは、これらの「マナー」や「人種差別」とは全く別のことだった。

世界を旅して知った途上国の外国人料金

世界を旅していると、度々直面するものに「外国人料金」というものがある。現地の人とは別に、観光客で訪れる外国人向けに設定された料金のことだ。

 
レストランから世界遺産まで、様々な場所で様々な外国人料金が存在するが、要は「あなた方、外国人は海外旅行が出来るくらいのお金持ちなのだから、たくさんお金を払ってね」というもの。

 
代表的なものをあげると・・・

・タージマハル(インド) 
外国人 1,000ルピー(約1,100円)
現地人 40ルピー(約68円)

・ペトラ遺跡 (ヨルダン)
外国人 50ディナール(約7,800円)
現地人 1ディナール(約156円)

・アンコールワット (カンボジア)
外国人 37ドル(約4,033円)
現地人 無料

 
国の豊かさや収入格差で致し方ない面もあるが、数字だけ見ると現地の人との何十倍もの差が生じている。

 
冒頭の中国人観光客の話に戻るが、2万円というのは(業者の意図は本来の外国人料金の意味合いとは違うが)価格の設定上、途上国が外国人向けに提示する料金と同じなのだ。

 
中国からの旅行客の1人当たりの支出額は、15年のデータで28万3000円と言われている。ビーチパラソルが2万円でも、普通に払う中国人も少なくないだろう。(もちろん、ビーチパラソルなどは複数人で使用するものなので、1人当たりのコストはもっと下がる)


出展:日本政府観光局(JNTO) weblio英会話 For School and Business

日本人の10倍の値段を設定しても、料金を払える中国人観光客がいるという事実。

 
自分は心のどこかで、日本は先進国でおもてなしの国(少なくともサービス業などの表面的な部分は)で、外国人料金などは無縁の国だと思っていた。

 
しかし、今回の沖縄のことで、外国人料金を設定せざるを得ない日本の未来を少しだけ垣間見たような気がした。

日本は物価の安い国。気づいていないのは日本人だけ


中国の通信大手・華為技術(ファーウェイ)の日本法人が大卒で月給約40万円、院卒で43万円で新卒募集をかけたのが日本で話題になっているようだ。

ファーウェイの初任給月40万円が話題「普通に就職したい」「優秀な人は流れていっちゃう」

一般的な日本の企業の大卒初任給の平均は19万8000円なので、倍以上の給与額だ。

 
一部のメディアはファーウェイの初任給について「日本の技術の獲得のために、初任給を高く設定している」と非難している。

 
しかし、日本の外から見れば、こんなことがニュースになること自体、「日本の常識が世界基準から遅れている」と言わざるを得ない。

 
同じアジアでも香港やシンガポールも、それなりの地元の大学に出ていれば、初任給で30万以上を超える企業はたくさん存在する。

 
ファーウェイの給与水準が特別高いのではない。これが世界基準なのだ。

 
それに対して日本の大卒初任給は20年以上、変わっていない。今後も大きく変わることはないだろう。

 
もうすでに人件費の安い日本人労働者が、外国企業に買い叩かれる時代になってきているのだ。

 
人件費だけではない。日本の不動産も格安なので、香港や中国では、毎日のように日本の不動産に関するセミナーが開催され人気を集めている。
 

たまに日本に帰ると、物価自体も香港やシンガポール、上海、北京、ソウルに比べると安いなと感じることが多々ある。

 
ついこの間まで、自分たちより下だと思っていた国に、企業も人材も土地も買われていく日本。

 
しかも不幸なのことに、多くの日本人にはそのような認識がまったくないのである。

 
未だにアジアの王様気分でいる日本。

 
「空気」は読めても「時代」を読めない日本。

 
未だに低賃金、長時間残業を「やりがい」や「精神論」で乗り切ろうとしている日本。

 
今のままだと、優秀な若い日本人の人材が出稼ぎのごとく、給与の高い海外に流れるのは目に見えている。

最後に

日本は物価の安い国。気づいていないのは本当に日本人だけだ。

 
今の若い人たちには今すぐにでも海外に出て欲しい。日本がヤバいからではない。

 
「世界から日本はどう見られてるのか?」「今の日本の立ち位置は?」「世界のスタンダードは?」

 
そういったものを肌で感じて、学んで、そしてそれを日本に還元しなければ、この国に未来はない。

 
こうしたものは、日本国内にいるだけでは絶対に学べないものだ。

 
世界から謙虚に学べば、また日本は世界で戦える国になる。

 
「井の中の蛙」にはなるな。世界から学べ。

日本は給料の安い国。優秀な人はもう日本を選ばない。

2018.10.14

4 件のコメント

  • 素晴らしい記事で、すごく共感しました。つい昨年まで国外に住んでいたので、痛いほど分かります。
    でも日本がいつか裸の王様ではなくなる日が来ると信じています。

  • 素晴らしい記事ですね。
    海外相手に仕事している人は常々感じているであろうことをわかりやすくまとめてくださいました。
    おっしゃる通りで、帰国するたびに日本に危機感を感じていました。
    ワンコインランチも素晴らしいけど、安売り競争はまわりまわって誰も得しません。

    不動産、収入、物価、海外で話していると、昔の中国のようにおもえてきて恥ずかしさすらあります。

  • 成熟した経済と今後の人口動態を考えれば
    ポジションが下がっていくのは当たり前ですし、
    それでいいのではないでしょうか?
    物価なんて上がったら爺さん達は困りますし。
    不動産なんてどんどん中国人に買って貰えばいいですし、
    日本の物価が相対的に下がれば観光客も増えますし。
    賃金が安くなればHUAWEIが工場造ってくれるかもしれませんし。
    日本は老人なんだから、枯れた生き方があると思います。

  • 私も最近になってこの事実を強く意識しました。

    日本の物価が安いのは、失われた20年(30年の方が近い)の所為ですね。
    他の先進国は2~3%のインフレでそれに伴って給与も増えているので、
    バブル崩壊以降、ずっとデフレかつ給与が延びるどころか減っている
    日本とは大きく差がついてしまいました。
    本来なら、こういう場合は為替が大きく動いて、日本の円が強くなって
    バランスが取られるというエコノミストが多いのですが、
    実際は、バブル崩壊時も今も1ドルは120円前後です。

    ということで、バブル期は世界最高レベルの物価で最高レベルの個人所得
    だったのが、今では先進諸国はもちろん、発展途中のアジアの国にも負ける
    レベルになってしまっています。

    日本の魅力が伝わって、インバウンドの観光客が増えたなんて喜んでいる人が
    いますが、単に、物価が安いから海外旅行の穴場として多くの外人が訪れている
    というのが本当のところでしょう。昔から、外国人にとって、日本文化は
    興味深いものだったと思うけど、物価が高すぎて訪れる気にならなかった
    だけでしょう。

    外国の企業から給与をもらった方が圧倒的に高給を得られることに、
    若い人が気がついて、優秀な人から海外に流出するようになったら、
    この流れは持続できなくなると思うのですが。。。
    ただ、そのときに日本がどうなるのか予測したいのですが、
    よくわかりません。

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