有給休暇が取れない日本は絶対おかしい国!


ある日、ブラジルのサンパウロに住む友人からメッセージが来た。
 

ブラジルの友達
Hi, Johnny! 久しぶり
Johnny
おお、久しぶり!元気?

 
彼女は世界一周中にボリビアで出会い、一緒にボリビアからチリまでを旅をした仲だ。もちろん彼女のホームタウンのサンパウロでもお世話になった。
 

そんな彼女から久しぶりのメッセージで何かと思えば、唐突にこんなことを言い出した。
 

ブラジルの友達
来月、友達Aと一緒に、2週間くらい休みを取ってヨーロッパを周ろうと思うのだけれど一緒にどう?
 

2週間も休みを取って、ヨーロッパ!!!!!? しかも来月?????
 

日本人からみたら、気違いなようなことを言い出す彼女。
 

だが、そんなオファーに対して、自分はこう返信した。
 

Johnny
いいね。その日程だと1週間くらいは一緒に行けるよ!どこで待ち合わせする?
 
ブラジルの友達
やった〜!スペインとイタリアは絶対行きたいの! そっちからだとイタリアが近いかな?
 
Johnny
イタリアいいね。じゃあ、来月の×日にローマで待ち合わせはどう?
 
ブラジルの友達
うん!そうしよう。先にローマにいるから着いたら連絡して!
 
Johnny
OK!
 

ということで急遽、一週間の有給休暇を取ってイタリアへ。地球の裏側に住む友人達と地球を約半周した場所で待ち合わせをして、ピザとワインを片手に互いの近状報告をしてきた。
 

何度もいうが自分は、海外の企業で働いていること以外は、何の変哲も無いただのサラリーマンだ。
 

資産家でもなければ、流行りのノマドワーカーでもない。
 

もちろん、ブラジル人の彼女達も母国では普通の会社員。お互い、当然の権利(有給休暇)を使ってイタリアに行ってきただけなのだ。

 

有給休暇が取れない日本は絶対おかしい国!


引用:welove.expedia
ブラジルは有給休暇が30日もあって、かつ100パーセントの消化率。同じアジアのシンガポールや香港もブラジルの半分の日数だが高い有給休暇消化率を誇っている。
 

翻って日本は、低い有給消化率に加えて、死人が出るほどの長時間労働。
 

その低い有給消化率の大きな要因に、「有給休暇が取りにくい雰囲気」を挙げる人も多いだろう。
 

周りの「雰囲気」や「空気」を行動規範する日本人に取って、「有給休暇が取りにくい」という雰囲気や空気は、何よりも大きな障害だ。
 

では、なぜ日本はこんなにも「有給休暇が取りにくい」という雰囲気や空気が蔓延しているのだろうか?
 

それには大きな2つの要因がある。
 

有給休暇が取れない雰囲気の要因1 世の中の変化について行けない中高年


日本が「有給休暇が取りにくい」という雰囲気や空気が蔓延している要因の1つに、中高年の経営層や管理職を中心に「有給休暇を取ることは甘え」のような考え方があることだ。
 

「休みを取らずに長時間働いて、会社のために頑張る」
 

高い経済成長を誇っていた頃の日本であれば、それで良かった。頑張った分だけ、会社も大きくなり給料もあがったからだ。
 

しかし、これからの日本はもう大きな経済成長が見込めない。
 

日本の多くの若い世代はそれを理解しており、会社に一生、滅私奉公するという考えの人も少ない。
 

さらに、少子高齢化や労働人口の不足という難題が迫っており、経済成長以外の部分で持続可能な社会を目指さなければならないのは、小学生でもわかることだ。
 

しかし、バブルで日本が「良かった頃」を経験した、日本を引っ張る立場にいる中高年達は、日本を取り巻く現状がどんなに変化しても、未だに「良かった頃」の価値観から抜け出せないでいる。
 

国を代表する総理大臣でさえ「日本を取り戻す」と言ってノスタルジーに浸っているのが、今の日本の現状なのだ。
 

同じような現象がイギリスでも起こっている。
 

先のEU脱退を決める国民投票では、昔の大英帝国の繁栄を忘れられないシルバー世代の多くが「EU脱退」に賛成し、「EU残留」の支持層が多い若者世代を数で上回ったことが、イギリスのEU脱退の1つの要因とされている。
 

少子高齢化になると世の中の変化について行けず、取り残された者達の意見が多数派になる。
 

さらに悪いことに年功序列が色濃く残る日本は、イギリスのようなノスタルジー世代の多くが、会社の管理職以上を占めている。

そのため、日本の企業文化は未だに休みを取らずに長時間働いた人が評価される仕組みとなっているのだ。
 

「俺らの時はこうだった」と。
 

もちろん、日本の中高年世代でも先進的な考え方を持っている方もいるが、ごく少数派だ。
 

このように昭和の時代から思考停止している中高年のマネジメントが、有給休暇という「当然の権利」を空気や雰囲気で封殺しているのだ。

有給休暇が取れない雰囲気の要因2 自分を差し置いて楽をするのは許せないという感情論


新卒で入った会社でこんな先輩がいた。
 

その先輩は、いつもオフィスに遅くまで残っていて、休みの日も自主的に出社して仕事をしていた。ただ決して仕事を楽しんでいる風には見えなかった。
 

この先輩は会社を休むことや有給休暇を取ることを「甘え」と考えていて、休みもほとんど取らず、苦しくてもやらなきゃという強迫観念に駆られているように見えた。
 

そして、何より一番厄介だったのは、その価値観を周りの後輩に押し付けてくるところがあったことだ。
 

このように、日本には「人に迷惑をかけるな」「社会人たるもの〜」という、日本人にとって、ある種のマジックワードを使いながら「休むことは甘え」という価値観を周囲に押し付けているものが少なからずいる。
 

だが、このような「休むことは甘え」と考えている人間の心理は、有給休暇を使われると会社の業績やコストに影響するなどの論理的なものではない。
 

自分たちがこんなに(仕事で)苦しんでいる、頑張っているのに、自分を差し置いて楽をするのは許せないという幼稚な感情論から来るものなのだ。
 

それを「人に迷惑をかけるな」や「休むことは甘え」という言葉を使って正当化しているだけの話。
 

「人に迷惑をかけるな」といいながら、「人に迷惑をかけまくっている」という矛盾。
 

昭和の時代に「一億総中流」という言葉があったように、今でも日本には「周りと同じである」ことに価値や安心を見出すものが多い。
 

だから、日本人は定時になっても周りの同僚が残っていたら、自分も残らなければならない気持ちになるし、誰かが1人でも先に帰れば、(たとえ本人の仕事が終わっていたとしても)それは周りに合わせられない「問題行為」として捉える。
 

周りと同じように振る舞うことで、社会的に評価され、周りと同じように振る舞うことができなければ、非難の対象となるのだ。
 

もちろん、そこには定時で帰った人の生産性やパフォーマンスなどは一切考慮されず、「定時で帰宅」という結果に対して、「周りと違う行為をした」と見なし非難する。
 

「周りと同じである」ことに価値や安心を見出すが故に、「自分はこんなに苦しんでいるのだから、みんな一緒に苦しむべき」という感情が発生し、日本人同士で足を引っ張り合い、長時間労働や休みが取れない環境を作っているのだ。

苦労は美徳!有給は甘え!不幸を振りまく日本人達


ここまで見てきたように、日本にこんなにも「有給休暇が取りにくい」という雰囲気や空気が蔓延しているのは、以下の2つの要因からだ。
 

日本に有給休暇が取りにくい雰囲気や空気が蔓延している理由
・日本の「良かった時」の働き方から、思考停止している中高年が管理職以上についているから。
・「周りと同じである」ことに価値や安心を見出すが故に、「自分はこんなに苦しんでいるのだから、みんな一緒に苦しむべき」という考えを持っている日本人が多いから。

そして、これらにさらに拍車をかけているのが、「苦労は買ってでもしろ」「苦労は美徳」とかいう日本人独特の価値観だ。
 

この価値観自体が悪いものではないが、多くの日本人は「苦労」すること、そのものが目的になっている。
 

苦労は何かを手に入れるための「手段」であって「目的」ではないはずだ。
 

しかし、多くの日本人は苦労そのものが、何か神聖なものだと勘違いをしている。
 

そこから派生する「楽すること、休むことは甘え」という価値観。
 

だから、「同質性」が大好きな日本人が「みんなで有給休暇を取れる仕組みにして楽をしよう!」とはならないのだ。
 

「苦労は美徳」という価値観から・・・

日本人A
自分はこんなに苦労している、頑張っている。
日本人B
俺たちの時代はこんなに苦労した!
 

同質性を好む国民性から・・・

日本人A
でも自分だけが苦労しているのは許せない!
日本人B
今の若いヤツらも同じように苦労しろ(苦労しないのはズルい)!
 

このように「自分はこんなに苦しんでいるのだから、みんな一緒に苦しむべき」という不幸のお裾分けが、日本の労働環境の至る所に蔓延しているのだ。
 

最後に

1ヶ月前に急遽決定し、地球の裏側に住む友人と出かけたイタリア旅行。日本にいたら、このようなことは絶対出来なかっただろう。
 

そもそも、欧州へ旅行なんて世界の一部の裕福な国の人々しかできない。飛行機すら乗ることなく人生を終える人だって多くいる。
 

日本は、そんな裕福な恵まれた国の一つだ。
 

しかし、今の日本人にはお金はあっても時間がない。
 

時間がなければ、心に余裕がなくなる。
 

働いてお金があっても心に余裕がなければ本末転倒だ。
 

労働人口が減っている今の日本だからこそ、「どうすればお金を作れるか」ではなく「どうすれば時間を作れるか」という視点に立って、物事を考えなければならない時だろう。
 

ヨーロッパや南米、アジアをはじめとした多くの国々の様に、日本も長期休暇を取れる環境になる。その長期休暇で、地球の裏側に住む友人と地球を半周したところで待ち合わせをして、一緒に旅をする。
 

こんな人生、とても素敵じゃないだろうか?


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