独身税、賛成か反対の前に日本人の倫理観がズレまくっている問題


先日、職場で台湾人の同僚から、以下の記事を見せられた。

独身税とは? 「かほく市ママ課の提案」報道に反発広がる

簡単にまとめると・・・

・石川県かほく市で「かほく市ママ課」と財務省の意見交換会が開かれた

・参加した女性から「結婚し子を育てると生活水準が下がる。独身者に負担をお願いできないか」と提案

・「独身税」の導入が議題に上ったと北國新聞で報道される

・批判が殺到

・かほく市はそもそもそのような議論・提案などはないと否定

・しかし、後にかほく市は「独身税」について否定したその投稿をなぜか削除

・北國新聞の記事とそれを否定するかほく市。どちらの言い分が正しいのかは未だ不明

 
日本文化を勉強している台湾人の同僚は、この記事を見てこう言った。

「結婚も出産も自分で選んだはずなのに、生活水準が下がるから、独身者に金を出せという議論はおかしい」

結婚も出産も多様な生き方の一つであって、強制ではないはず」

※本当はもう少し過激な言葉を使っていたが、この場では当たり障りのないセリフに直しました。

 
確かに彼女の意見は世界基準から見たら、ごく当たり前に感じる違和感で、こういう言葉がさも当たり前の様に口に出てしまう日本人は(世界からみたら)倫理観がズレまくっていると言われても仕方がない。

結婚・出産は当たり前!?

「結婚し子を育てると生活水準が下がる。独身者に負担をお願いできないか」

 
この言葉から見え隠れする「子育てをしている私は偉い」「独身は楽をしてズルい」「その歳で独身なんて情けない」と言った価値観。

 
結婚も出産も選択肢の1つであり、その中から自分で選んだ生き方のはずなのに、そのことにすら気づいていない。

 
いや、気づけないと言った方が正しいかもしれない。

 
日本は「結婚・出産は当たり前」という揺るぎない価値観を持っている人間がまだまだ数多くいる。そもそも生き方に「当たり前」など存在しないのだ。

 
日本人のなかで「なぜ結婚しなければ行けないの?」「なぜ子供を産まなきゃ行けないの?」という質問にまともな答えを持っている人間がどれだけいるだろうか?

 
結局、今でも日本人が「結婚」「出産」「育児」と声高に叫んでいるのは、みんながやっているからに他ならない。

 
村の掟みたいなものだ。

 
そもそも「結婚」も「出産」も手段や選択の一つのはずなのに、周りに合わせるために、完全に目的化してしまっている。

 
「婚活」なんてその最たる例だろう。「婚活」という「結婚を目的としたパーティー」なんて、世界広しと言えども日本だけだ。

 
「みんな同じでみんないい」という価値観。

 
外国人である同僚が感じた違和感は、日本人のこの「みんな同じでみんないい」という価値観を持ち合わせていないからだろう。

多様な生き方を認めない日本社会


独身税の議論から見え隠れする「自分と違う考えや生き方は認めない」という考え方。

 
こんな空気が今の日本には蔓延している。

 
会社で例えるなら・・・
オレが休みを取らないのに、1人だけ有給を取るなんて認めない

オレが定時で帰らないのに、1人だけ定時に帰るなんて認めない

男のくせに育児休暇なんて認めない

新人のくせに会社の飲み会に参加しないなんて認めない

 
「みんな同じでみんないい」という価値観の押し付け。

 
そこから外れたものには「他人に迷惑をかけるな」という伝家の宝刀で切りつける。

 
他人を理解しようとすることへの完全なる放棄。

 
多様な生き方を認めようという動きが、従来の欧米だけでなくアジアでも進んでいる中、「みんな同じでみんないい」という昔から変わらない日本の価値観によって、日本は完全に世界の流れから取り残されてしまっている。

最後に

今回、この話題を取り上げたのは、これを指摘してくれたのが外国人の同僚だったからだ。

 
日本人以外でも感じる「日本人の価値観」に対する違和感。

 
しかもそれが欧米人ではなく、同じアジア人。

 
未だに「日本がアジアのトップ」と思っている人には、耳の痛い話だろう。

 
日本でよく議論される外国人移民の受け入れの問題。

あたかも日本側が受け入れを表明さえすれば、喜んで外国の人が来てくれる前提で議論が進んでいる。

 
本当にそうだろうか?

 
マイノリティーになる外国の方々がマイノリティーを認めない国に喜んでやって来るだろうか?

 
今の日本に必要とされているのは、世界から「多様性とはなんですか?」と謙虚に学ぶ姿勢かもしれない。


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