社会人で実家暮らしは甘えという風潮が日本を衰退させると思う件!


今、日本で話題になっているドラマ・「わたし、定時で帰ります。」の第1話を見てみた。
 

そのドラマの登場人物の1人に、シシド・カフカ演じる社会人10年目の三谷佳菜子がいる。
 

三谷佳菜子
仕事とは無理してもやるもの
 
 

こう言いながら教育担当として、新人を厳しく指導する彼女。
 

だが・・・そんな彼女、1つだけツッコミどころのある設定なのだ。
 

それは彼女が「実家暮らし」だということ。。。
 

視聴者
あれだけ、エラそうに新人に言っておいて、実家暮らしかよ!
 
 

こう思った視聴者は多くいたはずだ。
 

この様に、日本では「社会人になっても実家暮らしはヤバい!」と言った価値観が確かに存在する。
 

しかし、自分はシンガポールと香港に住んだ経験があるが、そこでは「実家暮らしはヤバい」「実家暮らしは甘え」という風潮は一切感じなかった。
 

それどころか実家暮らしであるからこそ、国の経済が回っているのだなと感じることが多々あったのだ。
 

今回は、そんな日本の「社会人になっても実家暮らしは甘え!」という風潮に一石を投じたい。
 

 

実家暮らしは甘えと言ってマウンティングと苦労の押し売りをする日本人


日本に住んでいた時、「社会人になっても実家暮らしはヤバい」という風潮を度々感じることがあった。
 

メディアも実家暮らしの社会人を取り上げては・・・

実家暮らしの男は恋愛対象外!
 
実家暮らしは甘え!
 
 

と言った風に、まるで「実家暮らしは社会不適合者」と言わんばかりの扱いをする。
 

なぜ、日本はこんなにも「実家暮らし」に対して厳しいのだろうか?
 

自分は地方出身のため、社会人一年目から東京で一人暮らしをしていた。
 

しかし、社会人一年目だと手取りが20万に満たない月もあり、東京での生活は火の車。
 

それでも実家暮らしの同年代と比較して、
 

若き日のJohnny
自分は社会人として自立している!
 

という優越感を感じていた。
 

それと同時に、毎月自分の何倍もの金額を貯蓄に回す実家暮らしの同年代を横目で見て、

若き日のJohnny
自分はこんなに苦労しているのに・・・実家暮らしは楽をしやがって!
 
 

その不公平に対して、苛立ちの様な感情も同時に抱いていた。
 

実家暮らしの人に対する「自立できてない」という優越感と「苦労していない」という苛立ち。
 

この様なものが複雑に混じり合った感情は、一人暮らしを経験した人の多くが、感じたことがあるのではないだろうか?
 

「実家暮らし」をしている人は、金銭的事情や親の介護等々、個々人で様々な事情があり、「実家暮らし」を「選択」している。
 

本来であれば、「実家暮らし」も「一人暮らし」も選択肢の一つに過ぎない。
 

それを赤の他人が一々、口に出しすこと自体がおかしい。
 

そもそも「実家暮らしはなぜダメなのか?」という問いに、論理的な答えを出せる人がどれだけいるだろうか?
 

多くの人は・・・
 

実家暮らしは自立していない、◎△$♪×¥●&%#!!
 
 

この様に「自立」という言葉を持ち出す。
 

「一人暮らし=自立」「実家暮らし=自立していない」となるのだろうか?
 

そもそも「自立」の定義とは?
 

結局、日本では「自立」という言葉は「一人暮らし」の類義語として使われているに過ぎないのだ。
 

「社会人になっても実家暮らしは甘え!」と言っている人達の本当の心理は・・・

実家暮らしは楽をしやがって!でも俺の方が一人暮らしをしているから上!
 
 

自分は苦労しているのに、楽している奴がいることが許せないという「不公平感」と自分はこいつらと違うと「優越感」。
 

「社会人になっても実家暮らしはヤバい!」と言った風潮の実態は、「楽している奴がいることが許せない」という不公平感に対して、「自立」という言葉を錦の御旗に「実家暮らしは甘え」というのを正当化し、実家暮らしの人に対してマウントと苦労の押し売りをしているに過ぎないのだ。
 

実家暮らしは甘え!という風潮が日本を衰退させる


「実家暮らしは甘え!」
 

この「甘え」という言葉を多用するところに、日本人は必要以上に自分たちの首を絞めている様な気がしてならない。
 

日本はこれからどの国も経験したことがない未曾有の超高齢・人口減少社会に突入していく。
 

2060年には総人口が9,000万人を切り、うち45%超が60歳以上の高齢者となると予想されている。
 

外に出れば、歩いている人の半分近くが60歳以上。そんな社会が日本に確実に訪れるのだ。
 

そんな日本で、これから大きな問題となってくるのが「高齢者の孤独死」と「労働人口の確保」の2つになる。
 

実家暮らしのメリットを教えてくれるシンガポールと香港


公式な数字はないが、日本で死後、数日経って見つかる人は、年間3万人と言われている。
 

だが、自分が住んだことのあるシンガポールと香港では、「高齢者の孤独死」というのはあまり聞く機会がない。
 

理由はシンガポールも香港も住宅の値段が高いため、2世帯、3世帯で住んでいる家庭が多く、1人暮らしの高齢者が少ないからだ。
 

香港では1人暮らしの割合が、全人口のわずか2%しかないと言う。
 

衛生環境も食生活も格別に良いとは言えない香港が、男女共に世界一の長寿国である理由は、「家族がすぐ側にいて、孤独を感じない」というところに寄るものが大きいだろう。
 

「労働人口の確保」についても、シンガポールと香港では祖父母世代に子育てを分担できるため、女性のみに子育ての負担がかかることなく、多くの女性が社会で活躍してる。
 

中国・上海出身の自分のパートナも下記の様に語っていた。
 

中国でも祖父母が子育てを手伝って、両親は共働きっていうのが基本だよ!
 
 

シンガポールや香港は国土が狭く、住宅不足から2世帯、3世帯で住んでいるという事情があり、日本と環境が大きく違うものの、超高齢・人口減少社会に突入していく日本にとって見習う点は多々あるだろう。
 

「実家暮らしはヤバい」という考え方がヤバい時代に突入している

今の日本では
 

両親と実家で住んでいれば・・・

日本人
甘え!
 

子育てを両親に手伝って貰えば・・・

日本人
甘え!
 

無痛分娩を選択すれば・・・

日本人
甘え!
 

定時で帰れば・・・

日本人
甘え!
 

うつ病になれば・・・

日本人
甘え!
 

不登校は・・・

日本人
甘え!
 

とにかく苦労しなければ・・・

日本人
AMAE!
 
日本人
A・M・A・E!
 

苦労をしないことについては、何にでも「甘え」という言葉で一刀両断し、自分たちで、苦労を押し付け合う社会を作っている。
 

しかし、超高齢・人口減少社会では2世帯、3世帯で助け合なければ、持続可能な社会は難しい。
 

労働人口の減少により、日本は相対的に貧しくなっていく。
 

実家暮らしでなければ生活を維持できない人も増えてくるだろう。
 

既婚で子持ちであれば、保育園の増加や男性の育休取得などの環境整備ももちろん大事だが、高齢者世代が子育てを助けることで、現役世代は働きやすくなる。
 

高齢者世代も孫、ひ孫世代と過ごすことで、孤独死のリスクも大きく減る。
 

国としても世帯でまとまって暮らしていく方が、インフラの維持もしやすい。
 

もちろん、親の関係性や家族との距離感は個々人で違うので、2世帯、3世帯で暮らしていくことが必須とは言わないが、これからの日本の置かれる状況を照らし合わせると非常に合理的なことは確かだ。
 

今の日本の「社会人になっても実家暮らしは甘え」という風潮は、ただ単に「苦労していないからダメ」という短絡的な考えの裏返しでしかない。
 

スティーブン・R・コヴィーはその著書「7つの習慣」の中で、下記の様に語っている。
 

コヴィー
自立は最終的な目標ではない。目指すべきは相互依存だ。
 
 

未曽有の超高齢化・人口減少の社会が到来に向けて、日本では今、大きなパラダイムシフトが起きている。
 

今までのように、人に頼ることを「人に迷惑をかけるな」と否定し、楽をすること・苦労をしないことを「甘え」と言って批判する価値観では、生きていくことさえ難しいだろう。
 

今、日本人に求められているのは「形だけの自立」ではなく、超高齢・人口減少社会を生き抜くための「相互依存」なのではないだろうか?
 


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